秋田が代表取締役を務める「豊作プロジェクト株式会社」は ECを始めとするシステム開発を行っている会社。
システムって商材は厄介な物で、劣化しない。劣化しないので新品に買い替える必要がない。新品に買い替える必要がないので、リピーターを獲得するのが難しい。なので劣化させずに陳腐化した事にしてしまう。
結果お客様に不要な負担を強いる事になる。
代表例としては先日のエントリー「Windwos XP サポート終了まであと 111日。Office 2003も終っちゃうってさ。」な感じ。秋田の嫌いな商法である。
秋田の思うシステムのありかた
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そもそも秋田はバンドマンで、ひょんな事からこの IT 業界に入り、独学でプログラミングを覚えた。大手のシステム会社がどんな風にシステムを受注し、作成して納品してサポートして・・・なんてプロセスは全く知らない。
とりあえず見よう見まねでやってみて、やり続けて来た。お客様にも満足して使って頂けているし、大手のシステム会社の下請けもする事が出来ているので、何となくやり方は合っているようだ。
さて、秋田の思うシステムのあり方であるが「システムは成長させて行くもの」と考えている。
新しく作ったシステムは、運用を行いながら徐々に機能を付け加えて行き、大きなシステムへと成長させ続けて行く。利用してもらっているお客様の成長と共に成長して行く物。
これがシステムにとって一番良い形だと思うし、お客様にとっても一番良いし、無駄なシステム投資をさせずに済む。
避けられない時代の流れ
とは言う物の、時代の流れで陳腐化してしまう事も考えられる。この所 Web回りで起きているのは「ガラケー」→「スマホ」への流れ。
Webシステムのインターフェイス(お客様の画面や管理者の画面)は、トレンドに合わせて作り替えて行かなければならない。この場合、システム全体の設計思想がしっかりしていれば、インターフェイス部分だけを作り替えたり、追加したりすれば良い。
システムの一番根底にあるのは「データベース層」。このデータベースの上に「ビジネス層」があり、画面を形成するのが「インタフェース層」となる。
これらを設計段階でしっかりと分けておけば、時代の流れに対応する時には「インタフェース層」だけの改善で済む。
ずるい営業手法〜作り替えの誘い
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最近スマホが流行って来ているので、Webのシステムをスマホ対応しましょう。今のシステムは古いので新しいシステムに入れ替えましょう。
今度 Windows XP のサポートが切れます。今使ってもらっているシステムは Windows 7 に乗せ変えるより新しいシステムに入れ替えた方が早いですから、入れ替えましょう。
今の社内業務システムをまかなっているサーバは CPU が遅いから、サーバ入れ替えましょう。システムの乗せ替えるには検証コストがかかるので、新しい業務システムを作り直しましょう。
なんて・・・
新しく入れ替える、作り替える物が、お客様にとって必要な物なのか?コストが下がり戦略的に突っ込んだ業務を効率良く行える物なのか?操作は楽になるのか?等が本気で考えられている物であれば、口出しはしません。
しかし、えてして営業マンの成績だったりしませんか?
IT の事知らないと思って(てか、営業も IT の事知らない場合が多いですが・・・)良いように新しい物への変更をさせられたりしていませんか?
もったいないですよ!
かといってサーバスペックは致し方ない
データは2つの幅があり、顧客名が1万件から100万件に増えた場合は、縦幅が増えたと言い、CPU に大きな負担がかかる。顧客データの項目が増えた場合、氏名しか記録していなかったのが、電話番号、住所、メールアドレスが増えた場合、メモリに負担がかかる。
長い間同じシステムを使っていると、情報量が多くなり、サーバのスペックが不足してくる。10年前に作ったシステムが乗っかっているサーバは、最近のサーバに比べたらかなり陳腐である。
これは物理的な問題なので、現時点ではそれぞれのパーツを増やすとか、サーバ自体を入れ替えなければならない。
サーバを入れ替える場合、サーバ費用の他にシステム移行費用がかかる。上記の話に戻ってしまうが、システムの移行費用がバカにならない。
秋田も否定出来ないのだが、他人が作ったプログラムをいじるのは好きではない。出来る事ならまっさらの新しいシステムを作りたい。そんなエンジニアの気分も相まって、システムの移行費用や稼働テスト等の工数を高く見積もり、新しく作るシステムを程よい金額にする会社もあるだろう。
結局同じくらいの金額になるのであれば、新しい物を選択する事になる。
もったいない!
これまでのシステムは使えないのか?
当然、これまでのシステムは使えないのか?との疑問を持つようになる。新しいシステムにすると、これまでのシステムで熟練したスタッフがシステムを最初から勉強しなければならなくなる。システム運用の教育マニュアルも作り直し。作り替える以上にコストがかかる。
システム会社からこれまでのシステムを利用する見積もりは高い。やっぱり新しいもの・・・。
しかぁ〜し!これまでのシステムをそのまま使い続け、新しいサーバで動かす技術があります。これまでに何度もこの技術を使って、ネットショップのサーバスペックアップを実現して来ました。
仮想化技術
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仮想化技術、解りやすい言葉で言うと「クラウド化」。どちらも解らない?解らない場合は以下斜め読みして下さい。
CPU や メモリ、ハードディスクが陳腐化してしまい、より性能の良い物に変更するには、新しい物を買ってくるしかありません。ここは仕方ない。
新しく購入してサーバを仮想化の「ホストサーバ」にします。有償の物からフリーの物まで幾つかの技術があります。豊作プロジェクトで使っているのはフリーの物。
次に、これまで使っていたサーバを OS(Windows)ごと1つのファイル形式「ゲストOS」にして取り出します。
取り出した「ゲストOS」を「ホストサーバ」の上に乗せ、「ゲストOS」のネットワーク回りを調整して起動。システム部分をいじらないので、検証等をする必要が全くありません。
解りやすく解説すると・・・
大きなマンションを建てますが、マンションには各部屋が存在せずに、スケルトンのだだっ広いフロアだけ。
戸建住宅を土台ごとクレーン等でつり上げ、フロアの中に配置。家の中をいじったりしないので、通常の引っ越し作業は全く不要。電気、上下水道の整備をして再入居。家の中は以前と全く同じ環境。
てな事が出来ます。
まとめ
これまで育て上げて来た社内システムやインターネット上のサーバ。
サーバのスペックが陳腐化しただけで、大きなコストをかけて作り替えるなんて「もったいない」。
そんな事がこの先、もしくは今、起きていたら是非とも相談下さい。
ノウハウが凝縮したシステム、捨てるのは「もったいない」ですよ。
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