これまでに何度か書いてますが、電子書籍の出版を行うサービス「豊作パブリッシング」「facebook ページ https://www.facebook.com/ebooks.housaku」を行っています。
電子書籍を出したい方がいましたら、是非お声がけ下さい。
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このサービスを開始した当初、魅力があって我々でも出版物を販売出来る所は、Amazon の kindle しかありませんでした。今年になってから Apple、Gppgle も同じようなサービスを開始し、魅力のある市場が増えて来たので新規出版の手を止め、この2つの市場でも書籍を販売してく事にしました。
しかし、Apple や Google に対応する為、簡単な二次利用ではなく、電子書籍ファイルを新たに作らなければならない等、それなりに大変な事態となっています。
せっかく作った電子書籍データが簡単に転用出来ないのです。
電子書籍作成ツールの遍歴
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Google Docs で作成:とにかく出版したい時期
最初はどんな形でも良いから Amazon の kindle で販売がしたかったので、Google docs でドキュメントを起こして作成してました。
Google Docs からダウンロードしたファイルを kindle gen と言う amazon が提供するコンバータツールを使い、 kindle 用の電子書籍形式である .mobi を作成します。
こいつを kindle に登録。
とても簡単に出来たので、最初の頃作品はこれを使って作成していました。
Sigil で作成:効率的に製作・編集がしたい
電子書籍について勉強していくうちに、電子書籍は epub って形式が標準である事を知ります。それを作るツールがある事も。
しかし、それらツールである「Adobe InDesign CS6 Windows版」はちょっと高価。 「FUSEe ver.1.0」は無償期間終っちゃって有料。等と探している中で「Sigil」ってフリーのツールと出会いました。
Windows にも対応しているし Mac にも対応している。こりゃ良いね!って思い、秋田のマシンやパートさんのマシンに入れて、本格的に電子書籍の製作・編集を開始しました。
今思うとこれが落とし穴・・・
MS Word で作成:縦書き対応がしたい
Google Docs や Sigil では縦書きが満足に出来なかったので、横書きの小説等を出版していました。しかし、小説って縦書きじゃね? と思い、色々と研究するのですが、kindle の申請受付サイト自体がバグだらけ。
どうやら Word で縦書きが出来るっぽい。って事を知り、チャレンジするのですが作成した電子書籍を iPhone で見ると横書き。出上手く作る事は来ないのか?としばらく悩んだのですが、とりあえず販売しちゃえ!って販売申請をしてみました。販売後 iPhone で購入してみると縦書きになっています。なんと、販売されるまで iOS では縦書きが確認出来ない。そりゃ悩む訳です。全くの手探り状態。
とにもかくにもこれで縦書きの出版が出来るようになりましたので、幾つか縦書きの書籍を出版しました。
しかし手元に残るファイル形式は .doc なので、電子書籍ではありませんでした。
AozoraEpub3 – 青空文庫ePub3変換:epub3 との出会い
何となく「電子書籍を作るなら MS Word じゃだめだろう」って思い、縦書き対応の epub3 形式の電子書籍を作るツールを探しました。AozoraEpub3 の存在は知っていたのですが、コマンドで動かすのでどうしても今ひとつ。二の足を踏んでいたのですが、どんなに探してもいいツールがなかったので、仕方なしに使ってみました。
使ってみると意外と便利。しかし、便利と思うのはプログラマー的な人間だけ。Sigil に比べると製作コストがかかり過ぎる。
縦書きじゃなければならない物は、AozoraEpub3。横書きで出版出来る物は Sigil を使ってました。
一太郎の玄で作成:ようやっと環境が整った
そうこうしているうちに、Apple や Google も書籍の販売を開始。テストで販売申請をしてみると「Apple の場合、日本語電子書籍は epub3 じゃなければ受付てくれない」事が解りました。
って事は、ファイルは epub3 で持ってないと 将来困るじゃん。と。(このブログを書いている今、結局困ってますが・・・)
この頃のちょっと前かな?「一太郎2013 玄」が epub3 に対応したと聞き、じゃあ試しに買ってみようかな?となり、一太郎を購入して試してみました。
ちょっと癖があったけど、癖の部分の扱いをマニュアル化する事により、パートさんやアルバイトの方にも電子書籍の製作をお願いする事が出来るようになりました。
この頃 Apple の Pages も試してみたのですが、縦書き対応してなかったので却下しました。
Google Play、iBooks Store へのハードル
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いよいよ本格的に Google Play、iBooks Store でも販売しようと手を付け始めているのですが、それなりに厳しい。
kindle で販売している電子書籍を Goole Play や iBooks Store に販売申請を行おうとすると epub のエラーが出てしまい、申請すら行えません。もうことごとくダメ。
epub のエラーをチェックする「epubcheck」を使ってエラーチェックをするのですが、これがまた大変。
「一太郎」で作った epub3。必ず epub3 の形式エラーが出ます。kindle ではこのまま販売出来るけど、他では使えない。エラーのパターンが解ってくればそのパターンで修正をしていくので良いのですが、せめて「epubcheck」でエラーの出ないレベルまでプログラムを研ぎすまして欲しいです。ジャストさんお願いします。
「AozoraEpub3 – 青空文庫ePub3変換」で作った epub はエラーが出ていない。作る時にコストがかかるけど、エラーが出ないのは嬉しい限り。製作したタイトルが少数だったからエラーが出なかったのかもしれません。
「Sigil」で作った電子書籍は全部 epub2 なので事実上使えない。新たに作り直しをするしか方法がなさそうです。簡単に epub2 → epub3 へコンバートが出来るツールを探しているのですが、なかなか見つからない。そんなにタイトル数がないので諦めて作り直す方が早いかな。販売目的であれば、日本語の電子書籍は Sigil で作っちゃダメです。新しいバージョンになる事を期待しましょう。
「Google Docs」「MS World」で作った書籍は epub で作ってなかったので潔く作り直し。
上記に加えて、Apple だと書籍内に「Amazon 販売サイトへのリンクがあるとエラー」になるとか、内包されている「画像がデカイとエラー」になるとか・・・それぞれにあわせてローカライズが必要になります。なかなか高いハードルです。
まとめ(今後の方針)
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今後の方針としては「AozoraEpub3 – 青空文庫ePub3変換」で作るより「一太郎」で作る方がコストが安いので、kindle, Google Play、iBooks Store それぞれのレギュレーションに引っかからない物を 「一太郎」で作り、「epubcheck」でチェックをした物を基本として3つのサイトへ販売申請をするようにしようと思います。
今日のエントリー、電子書籍を作った事のない方にはちょっと難しかったかもしれません。済みません。読まれた方が、無駄な回り道をしなくて済む事を心より希望しています。
しかし、複数のサイトに対応するってのは大変な事ですね。
自分で出すのがめんどくさい方は「豊作パブリッシング」までご用命下さい。お待ちしてます!
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